
「養豚場」には牧歌的な農村風景が似合いますが、「養豚ビジネス」には語りつくせぬほどのロマンと可能性があふれています。私たち上原ファームグループは、昭和52年の事業開始以来、一貫して「養豚業の企業化」に取り組み、新しい養豚ビジネスのパイオニアを目指して努力を重ねてきました。30数年前、わずか3頭から始めた小さな養豚業は、今では年間出荷数15万頭という大きなビジネスに育っています。業界では前例のない全国展開にも取り組み、自社農場は現在、北海道から九州まで5拠点を数えます。
企業化を進めるには、確かな取り組み姿勢と理念が必要です。私たちの基本姿勢は「イノベーション」、技術・経営の両面における絶えざる革新の姿勢です。技術面では温度管理、給餌、給水、水処理といった作業をいち早く機械化・自動化したことに加え、社内に研究開発部門を置いて新しい飼育方法や機器の開発、論文制作にも取り組み、豚舎も自社で設計・建設しています。また作業環境の効率化や豚の育成率を上げる研究など、経営力の強化をにらんだ取り組みも多角的に進めています。
もちろん、命を扱っている以上、生き物への愛情と生命への気遣いは欠かせません。手塩にかけて豚を育てる愛情と、本格的な企業化に挑む経営感覚、どちらも活かせるのが、この仕事の特権ともいえるでしょう。
こうした高いモチベーションの源泉となっているのが「北緯50度をこえろ」という、上原ファーム独自の理念です。地球儀を思い浮かべてください。デンマーク、オランダ、イギリスなど、世界の畜産王国は北緯50度付近に集中しています。そこから南に約20度も下がった南九州の“暑さ”は、世界の常識に照らせば、畜産に適した気候とはいえません。
しかし新たなビジネスチャンスはいつも、常識を覆すイノベーションから生まれます。あらゆる常識を疑い、今までにない豚舎や飼育の仕組みを生み出しながら、私たちは亜熱帯の気候の中でも十分に世界と戦える新しい養豚スタイルの確立を目指しています。
その成果は――さらなる全国展開であり、特許申請できるような技術革新であり、食の安心・安全を高めることであり、食肉自給率の向上や世界シェア獲得であるかもしれません。常識を超え、昨日までの自分たちを超えた先に待っている、胸おどるような成果。その確かな未来を見据えながら、私たちはこれからも、たゆまぬ努力を重ねていきます。
また今後、養豚ビジネスだけでなく、羊・乳牛の生産、加工、販売や、北海道での米の生産など、消費者に見える農業・多目的アグリビジネスに挑戦していきたいと考えています。






